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那須の在来種か?旅先で出会った「那須野秋そば」を食する

[2009-07-02]


昼過ぎの蕎麦屋で「飲んでつまんで蕎麦を手繰る」を喜びとする 
蕎麦ライターが、本誌「男の隠れ家」の蕎麦特集で掲載しきれなかった 
お薦めの蕎麦屋をご紹介
。蕎麦にまつわるレアな蘊蓄話も。



取材で訪れた那須高原で偶然入った農村レストラン。地元農家で古くから栽培されていた「那須野秋そば」を使った蕎麦は、意外にも洗練された打ち方で、さらに味のほうも・・・。

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農村レストラン「ファーム 高林坊」(クリックで拡大)


農村レストラン「ファーム 高林坊」は栃木県那須塩原市高林地区にある。ちなみに地名はたかばやし、店名はこうりんぼう、と読む。街道沿いに蕎麦店、蕎麦打ち体験教室、生産物直売所の建物が並ぶ構図は、典型的な蕎麦による町おこしの一例といえよう。ところが、ここの人たちは本気で蕎麦に取り組んでいたのである。

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(クリックで拡大)

店に入るとすぐ脇にガラス張りの打ち場があり、店の内部からはガラス窓越しに裏の畑が見える。

「あれが蕎麦畑。まだ小さな芽しか出ていないけどね。裏の蕎麦畑はお客さんに見せるためのもの。本物の蕎麦畑は秋に60ヘクタールで栽培しますよ」というのは代表者の室井忠夫さん。聞けば、平成15年に地区の生産者団体を設立、休耕田を利用して蕎麦の作付面積を拡大。今では年間35トンの収穫がある。

高林は那須高原と塩原の中間あたり。会津中街道沿いにあり、昔から会津との交流が盛んだった。会津といえば蕎麦どころ。山一つ向こうの会津と同じく、この地域でも米、麦だけでなく、蕎麦の栽培が古くから行われていたという。

「那須野秋そば」は高林の北側、山間の百地地区で古くから作られていたと思われる蕎麦。試食したところ美味だったために、雑種しないように5年の歳月をかけて大切に育て、登録商標を済ませた。

「この辺りでは、百地の蕎麦が美味しいと昔から言われていた。小粒だけど香りがあって味もよい。田舎蕎麦だと思ってきた人は蕎麦を食べるとびっくりしますよ」と室井さんが笑った。

では、その自慢の蕎麦を。運ばれてきた2種の蕎麦は、「高林そば」(写真左)が挽きぐるみの蕎麦、「田舎そば」(写真右)が玄蕎麦から挽いたやや粗めの蕎麦。ともに二八蕎麦である。

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高林そば(クリックで拡大)
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田舎そば(クリックで拡大)


「高林そば」は見るからにしなやかで美味しそうに見える。少し手繰っただけで高い香りがして味も濃く、野趣に富んだ風味がある。一方の「田舎そば」はもちもちして、さらに野趣が深い。食してみて、室井さんの言うように意外な美味しさにびっくりしてしまった。

阿部 文枝

阿部文枝(あべふみえ)。昼過ぎの蕎麦屋で「飲んでつまんで蕎麦を手繰る」を喜びとする蕎麦ライター。本コラムでは、本誌「男の隠れ家」の蕎麦特集で掲載しきれなかったお薦めの蕎麦屋を紹介する

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