模型作りに人生をかけた男の哲学− 金子辰也(ジオラマアーティスト)
[2009-06-25]
本当にいいものを作るためには…これまでジオラマという動かない世界で、『羊飼い』や『ひまわり』、『フラミンゴ』など感情を動かす作品を多く生み出してきた金子氏。映画のワンシーンのような世界を発想するのに必要なことは何なのか。 「すべての物事に先入観を持たないことが良い作品を生むコツだと思います。物事を決まりきったイメージに押し込めないで、柔軟な発想をすることが大事。そのためには、普段からいろんなアンテナを張って、多くの情報を集めておくべきですよね。その事は、ジオラマ製作に限らずクリエーターとしての本質の部分でもありますが」 「僕が製作する上での理想は、誰も作ったことのないものを作ることです。自分が見たことがないものや、過去にないテーマの作品を作りたい。見たことがあるものを同様にわざわざ自分が作る意味がないですからね。自分が見てみたい世界を作り、それを見てくれた人たちが共鳴してくれたときは本当にうれしいですよ。つまり、僕にとってジオラマ作品はエンターテイメントなのです」 そう語る金子氏は、納得する作品を作るための苦労は極力惜しまない。1つのジオラマを作るために、描く世界の時代背景や歴史を理解するために、関連書籍やビデオなど出来るかぎり集めるという。しかし、使う材料は時に無料のゴミであったり、その一部が使いたくて高価な対価を払う時もあると言う。彼の中ではその行為一つひとつがモノ作りになっているのだという。 ジオラマ作りには、テーマ性から始まり、アイデア・ストーリー・レイアウト・演出など映画作りと酷似したプロセスが多い。映画を撮りたいと思ったことはないのだろうか。 「すごく撮りたいですね。映画は小さい頃から好きで観ていましたし、ジオラマを作るプロセスは、企画設定から脚本、製作、映像、演出など、本当に映画と同じなんです。ジオラマではこれらをすべて自分でやるので、自然と映画製作にも興味は沸きます。以前、動画を撮ったのも映画製作への興味を物語っているのかもしれませんね」 |
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