ハイボールブーム、再び
[2009-06-19]
ハイボールブームの火付け役であるサントリーでは今年、11年ぶりにウイスキーの増産が決定した。そもそも日本でハイボールを普及させた立役者も同社だということをご存知だろうか。 ハイボールブームを支えた『トリハイ』と『Dハイ』高度成長期の1955年(昭和30年)頃、戦後の洋酒ブームをリードした『トリス』。発売からまたたくまにヒット商品となった『トリス』を扱う店は後を絶たず、これをメインに提供するトリスバーも続々と開店した。ウイスキーはストレートで飲むのが常識とされていた当時、ソーダで割ったハイボール『トリハイ』を提供したところ、それまでにない爽快な味わいが受けた。「"『トリス』といえば、『トリハイ』"となるほど、一躍人気の飲み物となりました」(サントリーホールディングス広報部 日色由紀子さん)。 第二次ブームは、酒税改正のあった1993~94年頃に訪れる。“でっかいハイボール”、略して『Dハイ』を発売し、ビールのようにがぶがぶ飲める豪快なイメージを打ち出し、新たな顧客層を開拓した(小錦が登場したCMが記憶に残っている人も多いだろう)。今も、氷を入れた大きなグラスにハイボールを注いで飲むことを『Dハイ』と呼ぶ名残があることからも、当時の定着した人気をうかがい知ることができる。 第三次ハイボールブームは若い世代で拡大そして今、新たなハイボールブームを受けたサントリーは昨秋、飲食店に向けたハイボールサーバー『角ハイボールタワー』を開発。レバーを押すだけで新鮮なハイボールが注げるとあって、リリースからわずか半年の今年4月末の段階で全国200店舗に導入され、現在も多数の店舗が取り付けを希望しているという。 角ハイボールタワー設置第一号店の東京・銀座 立呑みマルギンは、タワー導入以前とは、客のオーダーががらっと変わったと言う。 「昨年7月の導入以来、今では全オーダーの3〜4割がハイボールで、生ビールに並ぶ人気があります。ハイボールをカクテル風にアレンジしたオリジナルも提供しており、ハチミツと生姜を入れた『マルギン・ハイボール』は、若い女性に受けています」(マルギン安斎良治さん)。 長年ハイボールを提供する東京・新宿 リットバーでは、最近までハイボールを知らなかった20〜30代の男性からのオーダーが増えているという。 「バーならではの、落ち着いた空間の中でウイスキーを飲む楽しさを知ってもらいたい。そのため、ウイスキーに親しんでいない人にも飲みやすいハイボールを勧めています」(リットバー店主・大橋亮さん)。 バランタインやシーバスリーガルなどのブレンテッド・ウイスキーをソーダで割り、シングルモルトウイスキーを浮かべたハイボールは香り高く、味わいも締まっているため、ウイスキーを飲み慣れない人にも好評だという。ウイスキーに慣れ親しんだ団塊世代だけではなく、若い世代からの支持が、現在の第三次ハイボールブームの拡大を助けているといえる。 「とりあえず、生」もいいが、「まずはハイボール」で乾杯がこの夏の粋なチョイスかもしれない。
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