念願の「逆さ富士」
[2010-08-25]
「男の隠れ家」本誌では語ることの出来ない取材裏話や 追加情報、はたまた個人的な四方山話まで、何の役にも 立たないコラムを連載します。どんな奴が「男の隠れ家」を 作っているのか、興味のある方はどうぞ寄ってらっしゃい。 (今週は KO→SM) 今月発売中の「夏、山へ」の特集は皆様ご覧頂けましたでしょうか。 昨年末の登山特集では「週末、山へ」と題し、初心者でも気軽に登れる日帰り低山をご紹介いたしましたが、今年はちょっとランクを上げて、アルプスを中心に特集を組みました。 「アルプス」と聞くと、登山初心者には到底無理な高峰と思いがちですが、夏山であれば高度な登山技術がなくとも登れるコースはいくつかあります。 もちろん山は常に危険がつきものです。自分の体力に合わせた無理のないスケジュールを組み、しっかりした装備でもって、今年最後の夏山をぜひ満喫してきてください! それにしましても、体育の成績は常にビリで「努力」と「忍耐」という言葉が大嫌いなインドア派のSMには、正直、「また今年も山企画をやるのか……」と暗澹たる思いでした。 昨年は「道が平ら」という理由で「尾瀬」を担当させて貰いましたが(でもものすごくハードで、考えが甘かった)、今年は「富士山が見える山」というページを担当することになり、ついに中学1年生以来となる登山にチャレンジしてきました。 日本一の高さを誇る霊峰「富士」。その美しい山容は葛飾北斎はじめ多くの画人が絵を描き、歌人は歌に詠み、また富士山が見える場所は「富士見坂」などの地名となって残っているように、私たち日本人のDNAには「富士山」への特別な思いが深く刻みつけられています。私も静岡生まれということで、富士山への思い入れは強い方ですが、それ以外にも、「富士山」という言葉に反応してしまう理由がひとつあります。 学生時代、日本料理屋で着物バイトをしていたのですが、ある時年配の方々が集まって、句会が開かれている席を担当したことがありました。 みなさん、硯と筆に短冊を持参されていて、なかなか本格的です。お料理を出すときに「君も一句詠んでみなさい」と勧められ、なぜか私まで参加するハメに。そして上の句を勝手に詠まれ、これに続く下の句をと出されたお題が 「嫌なのに」 ……い、イヤなのにっ?! この言葉を聞いた瞬間、シモの句に浮かんでくるのはシモネタばかりで一度それが浮かんでしまったらもうそれ以外思いつかず、ええいままよ、と詠んだのが 「嫌なのに 酒の余興で 逆さ富士」 です。案の定、「逆さ富士をやって」(男性の皆様はご存知ですよね? 芸者を呼んで遊んでいた時代の、昔なつかしいお座敷遊びの一つで、着物姿で芸者さんが逆立ちするんですね。そうすると着物がベローとめくれ、桃色長襦袢の陰から富士山が拝めるのです)等々、雅な句会の席が一気に上野ガード下の居酒屋のようなノリになってしまいました。 そんなこんなで「富士山」と聞くと、その過去が脳裏に浮かび、妙に反応してしまうんですね。登山は嫌いとはいえ、せっかく「富士山が見える山」というテーマの担当になったので、しっかり富士山と逆さ富士を目に焼き付けてこようと出発してきました。 しかし季節は梅雨まっただなかのシーズン。かろうじて雨こそ降っていませんでしたが、曇り空が広がり、肝腎の富士山も雲に包まれ全く見えません。 とりあえず登ろう! ということでエンヤコラ、クマザサの生い茂った急な坂道を黙々と登ります。 分け入っても分け入っても青い山(種田山頭火) ひたすら歩いても一向に先が見えず、心の中で(仕事じゃなかったら山登りなんて二度とするもんか)とブツクサ思いながら下ばかり見て延々歩いていました。が、木々の間から富士山が姿を表すと、さすがにその勇姿に「おおーっ」と感嘆の声が漏れてしまいました……! 富士を眺めながらひと休憩。谷から涼しい風が吹き渡り、今までの疲れをしばし癒してくれます。しばらく眺めていると、速い流れの雲が富士にまとわりつき、見えたとおもったら雲に隠れたり、また現れたり、そのたびに一喜一憂してしまいます。 はっきり言って登山コースはかなりきつく、「登山が好き」になるまでには至りませんでしたが、それでも青々と緑なす山を歩き、富士の美しい姿も拝むことができ、私のような人間でも達成感と爽快感を味わうことができました。そして下山後のビールの美味しさといったらなかったです。 >> 本誌編集部コラム「男の隠れ家編集部です」 次週へつづく 「男の隠れ家編集部です」過去の記事 ・山で思った海のこと ・憧れの北アルプスに「仕事」で登っちゃいました。 ・ほのぼのとしたスナップ写真の宝庫! ローカル線 ・ウミガメに会いたい! ・列車に揺られて … |
「男の隠れ家」本誌では語ることの出来ない取材裏話や追加情報、はたまた個人的な四方山話まで、何の役にも立たないコラムを連載します。どんな奴が「男の隠れ家」を作っているのか、興味のある方はどうぞ寄ってらっしゃい。
特集
このカテゴリーの人気記事
ピーター・ジャクソン監督がつくった新プラモデルブランド『... [2009-11-03] |
||
チョモランマへ [2009-12-22] |
||
月夜の晩に、昭和の銀座に思いを寄せる [2009-10-21] |
||
プチオーパ! タマゾン川釣り紀行 [2009-07-10] |
||
背中で感じろ! アークテリクス&グレゴリー [2009-11-03] |

