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雑誌とは

[2010-05-19]


「男の隠れ家」本誌では語ることの出来ない取材裏話や 
追加情報、はたまた個人的な四方山話まで、何の役にも 
立たないコラムを連載します。どんな奴が「男の隠れ家」を 
作っているのか、興味のある方はどうぞ寄ってらっしゃい。

(今週は KO→SM)


 いきなりの他誌紹介になるのですが、ちょうど現在発売中の『BRUTUS』は「ポップカルチャーの教科書」という特集を組んでいます。普段はたいてい立ち読みでざっと内容を確認するだけなのですが、今回の力のこもった特集号は即購入してしまいました。

 文学から思想、演劇、広告、マンガ、サブカルに至るまでの、さまざまなジャンルにおける80年代以降のポップカルチャーの潮流を、それぞれの分野のスペシャリストに語ってもらう、という濃い内容になっています。

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 また「ポップカルチャーの教科書」特集は「ブルータス30周年記念号」も兼ねており、つまりポップカルチャーの一端を牽引してきたブルータス自身の歴史も同時に振り返る構成になっていました。

 いやはや、ブルータスの「オレたちがカルチャーを作ってるんだゼ」「カッコイイだろ?」的なノリが鼻についてあまり好きではないのですが(あくまで個人的な「好み」の問題で、内容がいいとか悪いといった他誌批判ではないです)、やはりこうしてブルータスの作ってきた過去の誌面を辿っていくと、確かに時代の先端を駆け抜け、大胆な企画を打ち出し、お金をかけてすごく贅沢な作りをしており、「カッコイイ」(笑)! と肯いてしまいます。

 勉強になるのはもちろん、「雑誌の面白さ」とはこういうことだなと改めて強く実感しました(というか嫉妬しました)。

 ちょうど友人から、松岡正剛さんがかつて作っていた伝説的な雑誌『遊』(1979年10月号)を借りて読んでいたところですが、これもまた本当にすごい!!!

 まず表紙のイラストは西岡文彦によるもの、そして特集の内容は「世界模型 亜時間」、それも本の上部にさりげなく書かれているだけ。
執筆陣もこれまたすごい豪華メンバーのオンパレードで、

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ミルチャ・エリアーデ(20世紀を代表する宗教学者 植島啓司先生のアメリカ留学時代の恩師)
白川静(古代漢字学者・漢文学者)
フリッチョフ・カプラ(アメリカの物理学者)
別役実(劇作家、評論家)
山折哲雄(宗教学者、評論家)

荒俣宏(いろいろ)
内藤正敏(写真家、民俗学者)
澁澤龍彦(作家、シュルレアリスト研究)
寺山修二(劇作家、作家、詩人)
森茉莉(森鴎外の娘、作家・エッセイスト)
赤瀬川原平(アーティスト、作家)
筒井康隆(作家)

……ざっと一部挙げただけでも、その錚々たる顔ぶれに「ヒョエー これを1冊の雑誌で……」と驚いてしまいます。

 そして特集の内容はというと、「東洋の世界模型/身体=結界の教義と倫理」論を巻頭で山折哲雄が述べたあと、次に展開する「世界模型全書」と銘打ったページを繰ると、ヨーロッパの迷宮庭園と墓、立花と神饌、「かごめかごめ」の写真と相撲の土俵、ユダヤ教神秘主義「数秘術」図と貴族のロココ風装飾が施された図書室……等の図版が、ページ見開き単位でバーンと並べられているのが目に飛び込んできます。その論の内容も刺激的ですが、その異様とも思える図版の組み合わせの妙を見ているだけで、「こんなすごい雑誌があったんだ」と愕然としてしまいます。


 たまたま今日この2冊を持っていたので並べて紹介してしまいましたが、これまでの私SMの読書遍歴のなかで、キーポイントになってきた各時代を代表するすごい雑誌というのがいくつかあり、今でも強烈に記憶に残っています。

 インターネットの普及、出版界のおちこみ、そして広告の低迷によって、昔のように数千万の広告費が雑誌に付くことはまずなくなり、雑誌にかけられるお金が少なくなっているのはもちろん、冒険的な企画を組むこともなかなか難しくなってきているのが現状です。

 雑誌という形態は近い将来に消えてゆく運命かもしれません。ですが、その媒体がウェブであっても、ある視点に基づき「編集」された「情報」そして「価値の提案」はずっと求められ続ける……と私は思っています。

 そういう記憶に残る本(ウェブでも)の一端なりとも関われたら……と切に思いました。





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男の隠れ家 1月号
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