人生を変えるようなアイロンがけとは?− 松澤等(エクストリームアイロニスト)
[2009-05-27]
非日常の中で日常を取り戻す 自分にとっては、たまたま"アイロン"だった 山頂や様々な場所でアイロンを掛ける行為。これだけを見ると、彼が変わり者で人と違ったことをしたがる、ただの目立ちたがり屋に思える。だが、実際の彼はあまりそういうタイプではない。もちろん、ユーモアは持ち合わせているが、本当に真摯に楽しんでいるのだ。 「この行為が変わっていることは百も承知です。行動が行動だけに無理もありますが、できれば目立ちたくはないんです。やはり恥ずかしいですし、他の登山者にも変な思い出を与えかねない。登山をした人にアイロンしている人が山頂にいたという印象で終わらせたくはないんです。だから、登山者が多い時はやりません。これは自分の気持ちを山に収めるような、一種崇高な気持ちで行うので1人で孤高にやる方が向いているのかもしれませんね。僕がやりたくなる時はわりと気分が落ち込んでいるときなんです。仕事の悩みなどがあるときに、山頂などでアイロンを掛けるとすごく元気になれます。 このエクストリームアイロニングで一番分かってもらいたいのは、自分の本当の楽しみを多くの人に見つけてほしいということです。自分にとっての“究極の達成感と究極の癒し”がたまたまこのエクストリームアイロニングでした。他の人にとってはまったく違うものでいいと思うんです」 スポーツといってはいるが、他の競技に比べて人と争う要素はかなり薄い。むしろユーモアの方が重要と言っても過言ではない。 「今年の9月には、第2回目となるエクストリームアイロニング世界大会がドイツで開催されます。スポーツ競技の世界大会と言っても規模は小さくて、エンタテインメント要素の強いお祭りのようなものです。その中で一番の注目競技が、「フリースタイル」の部門です。何もない広場にアイロン台と熱いアイロンだけが置かれていて、そこでいかにアクロバティックでユーモアのあるアイロン掛けができるかを競うものです。パフォーマンスの芸術点とシワの伸び具合を見る技術点で争われます。とはいえ、やはりお祭りです。ユーモアのセンスを期待する方が高いんです。なので、僕も「エアリアル・アイロニング」という助走をつけて、高くジャンプしてきれいにシワを伸ばす大技などにも挑戦しています。ユーモアを込めて、本気で1位を狙ってますよ」 彼はこうもつけ加える。 「エクストリームアイロニングを多くの人が知ることで、アイロン掛けをもっと楽しいことだと感じてもらいたいです。現に僕はもうアイロンなしでは生活できませんし。アイロンがけはまだまだ女性の家事の一つに思われがちですが、ストレス解消にもなるので、男性にぜひもやってもらいたいです。特に、家庭を持つ男性は、家事の手伝いにもなるのでいいこと尽くめだと思います」 多くのユーモアと人によっては崇高的な世界が楽しめるエクストリームアイロニング。人口的にはまだ少ないが、一度試してみたら、あなたにとっても意外な”癒し”となるかもしれない。 (文・大野哲也/撮影・菊池友理/画像提供:エクストリームアイロニングジャパン) 【こだわりびとインタビュー バックナンバー】
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