鉄ちゃんの憧れ、「かぶりつき」
[2010-03-01]
私鉄での「かぶりつき」といえば名鉄パノラマカーと小田急ロマンスカー先頭部の展望席が最たるものですが、戦前の東急の車両や東武熊谷線にいたキハ2000形などは運転室が半室だけで、助士席側は客室で座席が車両先端まであり、これこそ究極の「かぶりつき」席というべきものでした。 無人運転の新交通システムでは運転室がないものもあり、その場合最前部の座席はそのまま展望席となります。伊豆急のリゾート21は運転室の仕切り壁が下半分しかなく、すぐ後ろが展望室となっていますが、このため遮光幕がありません。その代わりフロントガラスが夜でも客室内が映り込まない角度に取り付けられています。 南海電鉄の「天空」も展望重視の電車ですから、高野山側運転室のすぐ後ろに「かぶりつき」展望席を設けています。「こうや号」30000系も、前部の座席は運転室を通して前面展望が楽しめるよう意識したつくりになっています。 中間車でも楽しめるバーチャル「かぶりつき」さて、前面展望は先頭車の先端に乗った人の特権ですが、中間車の乗客でもこれを楽しめる電車もあります。近鉄のアーバンライナーと名鉄のミュースカイでは車内のデッキとの仕切りドアの上に液晶モニターを設置し、文字ニュースや案内情報を流す合間に運転室に取り付けたカメラで前面展望を「生中継」するサービスを行っています。 このようにJRも私鉄各社も様々な車両で前面展望を楽しめることをウリにしており、展望室つきの電車は高い人気を誇っていますが、運転士の側からすると、背後の窓から凝視されているのは結構気になる人もいるようです。一般の電車では、運転士に過剰なプレッシャーを与えない程度にご配慮のうえ、「かぶりつき」をお楽しみください。 >> 鉄道コラム「鉄学の道」 次週へつづく 鉄道コラム「鉄学の道」過去の記事 ・日本人で良かった! 駅弁の楽しみ ・鉄道と軍隊、密接な関係 ・広告電車とラッピングトレイン ・鉄道の青信号は白かった? 信号機の話 ・電車のスピードいろい … |
山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?
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