鉄道と軍隊、密接な関係
[2010-02-15]
鉄道輸送、戦後の歩みは…戦後も、日本の道路事情が良くなかった時代は自衛隊の輸送も鉄道を主軸に考えられていました。戦後初の国産戦車である61式戦車は、鉄道輸送を考慮して国鉄の車両限界である幅3mを超えないよう、全幅2.95mで設計されています。しかし自動車の普及と高速道路網の発達で自衛隊の部隊編成もほぼ自動車化され、61式の後継の74式戦車からは鉄道輸送を考慮した寸法制限は外されました。 現在は先進国の軍隊での陸上輸送は自動車主体で、戦車もタンク・トランスポーターと呼ばれる大型トレーラーで運ぶのが普通です。少なくとも日本国内では、列車の用意と積み込み・積み下ろしの手間を考えれば、駐屯地から高速道路を直接走っていったほうが手っ取り早くなっており、装甲車などもそれを想定してタイヤを履いた装輪式が増えています。とはいえ鉄道が用済みになったわけではなく、まだ軍用列車を多く使用している国もありますし、自衛隊でも機材輸送列車を使うことがあります。もっとも、自衛隊の列車輸送では土木用重機などが主で、戦闘車両を運ぶことはもう滅多にないようです。 なお、日本の有事法制においては、通称「武力攻撃事態法」と「国民保護法」で、JRと大手私鉄は「指定公共機関」の一つとして必要な役割を果たすよう求められています。しかし、有事の部隊輸送を確保する目的の「特定公共施設等利用法」では、空港・道路・港湾の優先使用は規定されていますが、鉄道はありません。想定される有事においては、鉄道に期待されているのは軍事輸送ではなく避難民や生活物資の輸送ということのようです。いずれにしても、発動されないに越したことはないのですが。 鉄道コラム「鉄学の道」過去の記事 ・広告電車とラッピングトレイン ・鉄道の青信号は白かった? 信号機の話 ・電車のスピードいろいろ ・ターミナルデパートの文化 ・縁起物きっぷいろいろ … |
山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?
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