広告電車とラッピングトレイン
[2010-02-08]
気になるラッピングトレインの広告料さて実際にラッピングトレインを走らせるとすると、その広告料は、会社・路線により相当差があります。当然ながら利用者が多く注目度の高い路線ほど料金は高くなり、ローカルになるほど安くなります。 例えば、最も高い山手線の場合、11両1編成を12週間使って1600万円、4編成を4週間で2800万円(但し広告面積は1車両1側面5㎡以下)ですが、京浜東北線や埼京線ではその半分になり、南武線では3分の1弱です。路面電車では最低広告期間が長くなりますが、1両を半年使うと広島電鉄では453万円、函館市電ではその7分の1の63万円です。広島電鉄の輸送密度は函館の2.5倍ですから、利用者数だけでなく市の人口その他、種々の付加価値が異なるということでしょう。阪堺電気軌道の場合は、1両1年で168~189万円です。 阪神電鉄と神戸市がコラボしたラッピングトレイン「神戸PRトレイン」(クリックで拡大) 広告のデザインは、緩和されているとはいえ自治体の屋外広告規制の審査対象であり、エログロな図柄などNGです。分かりやすいが文字だけでデザイン性に乏しいものや、デザインは目を引くがよく見ないと何の広告か分からないものもあります。傑作と言われるものとしては、阪堺電気軌道で1975年に登場した「雲電車」が有名です。広告主は電機メーカーでしたが、白い雲をデザインしたツートンカラーに社名と「ふれあいの心を大切に」というメッセージが小さく書かれているだけのもので、ほのぼのとして嫌味がまったく無いと評判になり、あまりの人気に広告期間が終わっても文字だけ消してそのまま使い、現在も走っています。また、廃車になった1両が浜寺公園に保存されています。 世の中は不況が続いていますが、不況となると切られやすいのが広告費です。東京・大阪ではラッピングトレインの広告価値は高く、大手企業がよく使っていますが、地方都市ではなかなかスポンサーがつきにくく、街の喫茶店や自動車学校の広告でもあればそれで幸運、というような状況になっています。好況で広告主が増えれば、デザインも凝ったものが楽しめるのですが、ここ当分は少々厳しいようです。 鉄道コラム「鉄学の道」過去の記事 ・鉄道の青信号は白かった? 信号機の話 ・電車のスピードいろいろ ・ターミナルデパートの文化 ・縁起物きっぷいろいろ ・初詣は電車でお出かけください … |
山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?
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