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電車のスピードいろいろ

[2010-01-26]

鉄道コラム「鉄学の道」/毎週月曜更新

乗りつぶし率99%の鉄道会社員が 
書き下ろす鉄分たっぷりコラム。

自社の貴重でレアな話題も 
時折飛び出します? 



 「新幹線は時速200キロ」。子供の頃に頭に刷り込まれたフレーズです。現在は最高300km/hで運行している新幹線ですが、1964年の開通以来長い間210km/hが最高速度だったので、新幹線=時速200キロのイメージはいまだに頭の中に残っています。

 フランスのTGVをはじめ、ドイツ・イギリス・スウェーデン・スペイン・韓国など、200km/h以上の速度で運行する高速鉄道は今では珍しくありませんが、新幹線が初めて開通したとき日本の鉄道の最高速度は100km/h前後だったので、スピードが2倍になったインパクトは現在の感覚からは想像し難いほど大きかったでしょう。

300km/hで営業運転できる新幹線500系
300km/hで営業運転できる新幹線500系(クリックで拡大)


意外に速かった 200km/hを超えた蒸気機関車


 現在、磁気浮上式などを除く、レールと鉄製車輪で走る列車のスピード記録は2007年4月にTGVが出した574.8km/hで、日本の最高はJR東海の新幹線試験車が出した443km/hです。443km/hといえばYS-11旅客機の巡航速度とほぼ同じで、574.8km/hに至っては零戦の設計最高速度(約550km/h)を超えています。

世界最速の蒸気機関車マラード号
世界最速の蒸気機関車マラード号(クリックで拡大)

 400km、500kmという速度はそのための試験車が出した記録で、実際に営業運転する速度としてはTGVの320km/hが最高ですが、鉄道車両が200km/hを超えたのは意外と早く、1903年にドイツの電車が記録しています。ちょっと驚きですが、蒸気機関車でも200km/hを超えた記録があり、1938年に202.6km/hで走った「マラード号」は、世界最速の蒸気機関車として英国鉄道博物館に保存されています。

 300km/hを初めて超えたのはフランスの電気機関車で、1955年のことです。このときの試験では330km/hが記録されましたが、パンタグラフは溶けるわ線路はグニャグニャになるわで脱線こそしなかったもののえらい騒ぎだったそうです。実際、200kmや300kmという速度で走るには、車両性能だけでなく、架線や信号、線路自体もそれに対応した頑丈で高度なものにする必要があり、100km前後で走る既存の路線をそのまま使うわけにはいかないのです。そのため、各国の高速鉄道は、少なくとも200km以上で走る区間にはたいてい新線を建設しています。

鉄学の道

山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?

→  http://www.nankai.co.jp/

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