宴会電車でGO!
[2009-12-14]
鉄道コラム「鉄学の道」/毎週月曜更新 乗りつぶし率99%の鉄道会社員が 書き下ろす鉄分たっぷりコラム。 自社の貴重でレアな話題も 時折飛び出します? 師走に入って忘年会シーズンもたけなわとなりまして、夜の通勤電車内では、ほろ酔い加減を通り越して泥酔加減となり、マナーポスターの標的になりそうなお客様もちらほら目についてきました。 かつて、常磐線の夜の下り電車では、土浦・水戸方面へ帰る遠距離通勤客が、夜毎に415系電車のボックスシートでホーム売店で仕入れた缶ビールやワンカップとツマミによる即席の飲み会を開き、「宴会電車」と揶揄されていました。ロングシート主体のE501系やE531系が主力になってからはさすがに消えてしまったようですが、古来、日本人は集団で列車に乗るとどうしても宴会になってしまうようです。 移動の手段としてだけでなく、車内で宴会をすることを前提とした車両がいつから登場したのか、定義づけは明確ではありませんが、車内を畳敷きにして寛げるようにしたいわゆる「お座敷列車」は、1960年に国鉄の盛岡鉄道管理局で誕生しました(戦前にも名鉄などで車内の一部を畳敷きにした例があります)。最初はお座敷にした客車を一般列車に増結する形でしたが、70年代には編成丸ごとお座敷にした列車が作られ、団体旅行に大人気となりました。一世を風靡したお座敷列車でしたが、レジャー行動の個別化などの社会変化と車両老朽化で次第に衰退していき、多種の車内設備を持ち様々なイベントに対応できる「ジョイフルトレイン」に取って代わられました。 さて、お座敷列車は、もともと目的地へ行く道中を楽しむという考えで作られたのですが、やがて、目的地がなくただ車内で宴会をするだけという列車も登場します。起源ははっきりしませんが、80年代頃から夏場に車内でビールを飲みながら2時間ばかり過ごす、ということだけを目的とした「ビール列車」が現れてきました。ビヤガーデンの列車版ですが、移り変わる景色(夜景ですが)を楽しみつつ満員の通勤電車を尻目に飲めるこの列車は結構人気を博していました。 現在では、地方私鉄や路面電車で貸切電車を使った宴会プランが夏・冬を中心に数多く出ています。地方私鉄や路面電車ならば、車両も小ぶりで2両か1両で運転できるので比較的小人数でも手軽に貸切が可能ですし、大手私鉄と違って運行ダイヤも融通が利きますから、お客の希望に応じた時間で運転することができます。そのため、確実性のある増収策として多くの社が実施しています。 |
山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?
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