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西表島アイロニング紀行

[2009-12-08]

松澤等の「エクストリームアイロニング」/毎週火曜更新

そこにシワがあるから…アルピニスト転じてアイロニストとして活動する
松澤等氏によるエクストリームアイロニングジャパン(EIJ)の活動記録。
ユーモアを追求するもおふざけは嫌悪する、真面目で真摯な姿勢が
腹痛を伴う涙を誘う、究極のマイナースポーツ奮闘記。




 言わずと知れた野生動植物の宝庫である西表島。以前、八重山諸島を探訪した際の主目的が、この西表島でのアイロニングであった。西表島の雄大な自然を存分に味わいながら、アイロンから出る蒸気を通して、その大自然をアイロニスト的に感じ取ってみたい。その後、実際に西表島に渡り、そこでアイロンを手にした自分。それは実に有意義であり、また感慨深い時間となったのである。物覚えが悪い僕の記憶がまだ鮮明なうちに、その時のことをここに書き記しておきたい。

 天気のいい早朝、僕はフェリーターミナルから石垣島を後にした。高速フェリーに揺られること約40分。アイロンセットと共に、僕は西表島第二の玄関である上原港へと到着した。これから3日間、僕は西表島の自然に心も体も溶け込むつもりである。港に着くと、道にさっそく猫がいたので「いきなり出た、イリオモテヤマネコ!」と思ったが、それは紛れもなくイリオモテ「イエネコ」であった。そんなこんなで、ついに僕の西表島ジャーニーが始まったのである。

夜間の道路は動物だらけ これはコノハズク
夜間の道路は動物だらけ これはコノハズク(クリックで拡大)

 西表島は八重山諸島で一番大きな島である。それは、沖縄県で沖縄本島に次いで2番目に大きな島という。島の約90%が亜熱帯のジャングルに覆われているこの島は、独自の生態系を維持した野生動植物の宝庫だ。ここ西表が誇る前人未到の山々も素晴らしいが、それを取り囲む海も極めて美しく、ダイバー達にもこの島の人気は高い。西表島は、言わば「東洋のガラパゴス」なのだ。

 今回、この島を短時間で大きく移動するため、僕はレンタカーを借りることにした。自転車移動も考えたが、3日間という限られた時間内に何カ所かの山や川への入り口まで移動することを考えると、自転車ではかなり難しいと判断した。お世話になったレンタカー会社の名は「やまねこレンタカー」。やはりここは西表島、レンタカー会社の名前もこうでなければならない。

「イリオモテヤマネコに注意」の看板がいたるところに
「イリオモテヤマネコに注意」の看板がいたるところに(クリックで拡大)

郵便局前にもイリオモテヤマネコ
郵便局前にもイリオモテヤマネコ(クリックで拡大)

 西表と聞くと、やはり一番に思い浮かべるのは「イリオモテヤマネコ」だろう。現在もおおよその生息数が100頭前後と言われているこの絶滅危惧種は、島ぐるみで保護活動に大きく力を注いでおり、道路には至る所に「イリオモテヤマネコ横断注意」の看板が立っていた。彼らや、その他野生動物の交通事故を防ぐため、島内の制限速度は最高40キロになっていた。通常彼らは夜行性なので、夜に車を運転した際には、僕も徐行運転しながら特に緊張したものである。

 夕暮れ時、拠点にしている上原から、島の右沿岸を下った大原まで向かう幹線道路で、僕は実に様々な動物たちと出会った。子連れのイノシシ、ヤンバルクイナっぽい鳥、セレベスコノハズク(ミミズクの一種)、ヤシガニ、そしてイリオモテ家ネコなど多数。夜間、道路に出てくる動物たちの数で、僕は西表の自然の濃厚さを実感したものである。ここでは、野生と文明がまさに隣り合わせなのだった。この島の野生動物にとって最もリスキーな場所、それが幹線道路である事は間違いない。ここは、人と野生の共存について改めて考えさせられる島でもあった。

松澤 等

松澤等(まつざわひとし)。サーフィン、カヌー、山登り、ロッククライミングなどのスポーツを経て2004年、エクストリームアイロニングジャパン(EIJ)発足。高い身体能力とユーモアセンスを取り入れた活動内容で国内のEI人気を着実に向上させている

→  http://www.exironingjapan.com/

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