長期熟成酒の魅力
[2009-11-25]
会場には全国から、秘蔵の長期熟成酒と、酒に合う地元の酒肴を持参した約20蔵が集まっていました。貴重なヴィンテージ古酒もいただけるとあって、来場者の熱気もむんむん。 今回の目玉は、熊本は千代の園酒造さんの「東京オリンピック時代の熟成古酒」。45年熟成! という、市場にも出回らない貴重な超熟成古酒です。 白麹を使い、酸が多目に出ることで長期熟成に耐えられるように醸されたというその大古酒。蔵の中で、ひっそりと45年の歳月をかけて熟成を重ねただけあって、瓶の底にはオリが沈殿しています。そのオリが入らないように丁寧にデカンタージュして、グラスに注いでくれる本田社長。 色は熟成した老酒のような濃い茶褐色。相当濃厚なボディと甘みを予想しながら飲んでみると、意外にもすっきりとしたエレガントな味わい。旨味、甘み、酸味のバランスが実によくとれている上品なお酒でした。よくぞ45年も美しく息づいてくれていたものです。 そのほか20年熟成クラスを出していたのは、「末廣酒造」(福島県)、「奥の松酒造」(福島県)、「麗人酒造」(長野県)、「飯沼本家」(千葉県)、「白木恒助商店」(岐阜県)、「福光屋」(石川県)などの蔵元さん。値段は4号瓶で5000円代~3万円を超えるものも! このレベルは稀少でなかなか手が出にくいですが、7~8年ものであれば味わいも安定し、値段も5000円以下で手に入るものも多いので、長期熟成酒を堪能するのにお薦めです。 そのほか、普段何かとお世話になっている(二日酔いも含めて)銘柄にも、古酒を造っている蔵が多いのにも驚かされました。 私が今回気に入ったのは、研究会の本郷顧問もお薦めされていた「下越酒造 麒麟 時醸酒2001年」。酸がしっかりしていて、ほどよい甘みと馥郁とした風味、それでいてフィニッシュはあくまでまろやか。食中酒として十分楽しめそうな極上古酒でした。 さて、稀少な古酒の数々を堪能しご機嫌で会場を後にしましたが、確かに酔い心地はさわやかで明日の二日酔いの心配は杞憂に終わりそうな気配。というか、古酒という、熟成から来る奥深い味わいは、適度に水や食事で予後を愉しみながら、ゆっくり飲むことに向いている酒であればこそ、適切な飲み方ができていたからなのかもしれません。古酒といえども度が過ぎれば悪酔いはしてしまうでしょう。でも、そうはさせないのが長期熟成酒の底力なのかもしれません。 新酒がぞくぞくと登場して、日本酒好きにはたまらない季節がまたやってきましたが、ゆっくりと蔵の中で熟成を重ねてきた長期熟成酒で、年末年始の祝い酒を傾けてみるのはいかがでしょうか。 >> 本誌編集部コラム「男の隠れ家編集部です」 次週へつづく 「男の隠れ家編集部です」過去の記事 ・“酒は飲んでも飲まれるな” 反省、されど……。 ・増刊『男の工具』撮影裏話をちょっとだけ ・最後の同潤会アパートメント ・中高年登山ブームの仲間入り ・日本中が熱狂した昭和の大イベント 大阪万博 … |
「男の隠れ家」本誌では語ることの出来ない取材裏話や追加情報、はたまた個人的な四方山話まで、何の役にも立たないコラムを連載します。どんな奴が「男の隠れ家」を作っているのか、興味のある方はどうぞ寄ってらっしゃい。
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