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質感や躍動感に感じるロマン 走れ! 保存SL

[2009-11-23]

秩父鉄道を走るC58 363。
秩父鉄道を走るC58 363。(クリックで拡大)

 2009年11月現在、本線運転できる動態保存SLは、JR北海道・JR東日本・JR西日本に各2両、JR九州に1両、大井川鐵道に5両、真岡鉄道に2両、秩父鉄道に1両の合計15両です。このうち5両がC11で、幹線用大型機はC57が2両とD51が1両だけです。やはりローカル線での使用に適した機関車のほうが使い勝手がいいのでしょう。

 SLの保存運転は各地で人気を呼んでいますが、もちろんどこでも可能というものではありません。SLを運転できる乗務員と補充部品の確保が最大の問題ですが、施設やダイヤの制約もあります。盛大に煙を吐く代物ですから、地下線や長大トンネルがNGなのは当然ですが、鉄橋も、電車専用で設計したものは大型SLだと設計荷重を超える場合があります。

 またSLは加速が悪いので、多数の電車が走る線ではダイヤが引きにくいという面もあります。首都圏や京阪神圏での運転は、物凄い数のファンが集まるため警備が大変で、そう度々はできません。私鉄路線は車両限界やATSの形式の違い、駅施設の余裕などの問題をクリアする必要があります。鉄ちゃん向けの撮影ポイントの存在も欠かせません。結局、比較的近年までSLを運行していた地方路線が最適となります。


残すべき威風堂々たる勇姿


 いずれにしても、どんな形であれ、本線を走行するSLはいつまでも残してほしいものです。美しい日本の山野を煙を上げて驀進する真っ黒い機関車の姿は、どこか感動的でさえあります。

 欧米でもSLの保存運転は盛んで、鉄道発祥国のイギリスにはボランティアが運営する保存鉄道がいくつかあります。ドイツなどには、臨時やイベントではなく、通常の定期列車が保存SLで運転されている鉄道もあり、観光客ばかりでなく、沿線住民の日々の交通機関として利用されています。こんな日常的運行が、本当は理想的な保存なのでしょう。

ドイツ・ザクセン州レスニッツグルント鉄道のSL列車。
ドイツ・ザクセン州レスニッツグルント鉄道のSL列車。(クリックで拡大)

デゴイチ唯一の生き残り、高崎を出るD51 498。
デゴイチ唯一の生き残り、高崎を出るD51 498。(クリックで拡大)





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鉄学の道

山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?

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