「あ~、君たち。本場北海道のスープカレーを食べたことがあるかね?」
本場で食べたことがある僕は偉そうにみんなに聞く。
「無いですけど、ここも美味しいですよ」
「とは言っても本場にはかなわないだろうね~」
「でもこの店、確か北海道に本店があるみたいよ」
「そういえば僕が北海道で食べた店も、こんな感じでインドな曼荼羅な雰囲気全開の店だったなぁ」
「この店だったんじゃない?」
「…………うん。今思い出した、店名もここと同じだわ……」
静寂の中、みんなに苦笑される俺。それぞれチキンスープカレーや野菜スープカレーなどを店員に頼むと、辛さを選んでくれと言われる。メニューを見ると辛さによって値段が上がる。フト気になって聞いてみた。
「もし辛さを選ばないと、どんなカレーが出てくるの?」
「お子様でも食べることが出来る、何も辛くないカレーになります」
「えっ!」
そういえば辛いのが大の苦手な友人のタケイグッドマンが
「カレーは星の王子様に限る!」
と星の王子様を食べていたのを思い出した。そしてグッドマンに「キムチ鍋をやるからおいでよ」と呼ばれ家に行くと、キムチ鍋にどぶどぶと牛乳を投入して、甘~くマイルドなキムチ鍋をごちそうになったことも、そのとき思い出した。
そりゃ困るってんでおのおの辛さを注文。アベくんは小辛の『瞑想』(辛さの段階が、曼荼羅的名前になっている)。僕は辛いの大好きなのだが、あまり辛いとおなかをこわすうえ下北はトイレポイントが少ない街なので中辛の下の『悶絶』、イエさんとまほちゃんが中辛の上の『涅槃』を注文。
「いただきま〜す!……か、辛いっ!!」
最初に届いたスープカレーにパクついたアベくんが転げ回る。確かアベくんは小辛のうえに辛さがマイルドになる野菜カレーじゃなかったか? ちょっと一口いただく。
「むっ、けっこう辛い! 小辛でコレ?」
水をガブガブ飲んで、犬のように舌を出すアベくん。アベくんも辛いのが大の苦手だったことが判明。そうなると僕の『悶絶』はかなりの辛さで、イエさんとまほちゃんが頼んだ『涅槃』は辛いのは平気と豪語した二人を咳き込ませるほど。一同汗をダラダラ流しながら、辛いけどとっても美味しいスープカレーを食べる。
店内はインド的曼荼羅な雰囲気。壁中に貼られたメニューやら辛さの指定やらのビラビラが、これまた曼荼羅的雰囲気。一番辛い『虚空(こくう)』は絶対頼んではいけない気がする。(クリックで拡大)
僕が頼んだのはチキンのスープカレー。前から思っているが、カレーはスープカレーが一番だと思う。問題は美味しいスープカレーの店は少ないってこと。(クリックで拡大)