続・電車の足元、線路の幅の話:幅が違っても走ります
[2009-11-16]
自在に車輪の幅を変えられるようにした車両も台車交換は面倒だ、ということで、車両側に特殊装備を施して、自在に車輪の幅を変えられるようにした車両もあります。スペインのタルゴ客車は、小田急ロマンスカーのように、車体の短い連接式車両を十数両の固定編成にしたものですが、一軸連接という特殊方式で、台車を使用せず車軸もなく、一つずつの車輪が独立しているため、これに軌間にあわせて車輪をずらせる機構を加えて、地上の軌間変換設備の上を徐行で走りながら幅を変えられるようにしたスグレモノです。1968年に軌間可変タイプが登場し、現在もパリ~マドリード間、ミラノ~バルセロナ間などで活躍中です。 車軸自体が車輪をスライドできる「フリーゲージトレイン」日本では、新幹線・在来線直通を想定した「フリーゲージトレイン」が現在テスト中です。これはタルゴとは違って電車で、車軸がありますが、車軸自体が車輪をスライドできる構造になっています。完成すれば、必要な区間だけ新幹線を使い、末端では在来線を走行できるので、特急網の体系が大幅に変わり、高速道路への競争力がアップします。 何か、各国の鉄道は、初期の頃にそのときのニーズに合わせて何種類もの軌間を作ってしまった不便さのギャップを、現在の技術でできるだけ埋めようとしている感があります。超長期的視点でモノを作るのは、実に難しいものです。 鉄道コラム「鉄学の道」過去の記事 ・電車の足元、線路の幅の話:狭軌と広軌はどう違う?(2) ・電車の足元、線路の幅の話:狭軌と広軌はどう違う?(1) ・鉄道の日、最大のイベント 日比谷公園「鉄道フェスティバル」 ・電車に乗って温泉へ行こう ・ケーブルカーは鉄道ですか? … |
山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?
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