守るべき俺たちの自然
[2009-11-10]
アイロン掛け場所選びも慎重に上記に挙げた程度の配慮でも、山に入る全員が実施すれば、自然環境を取り巻く状況はたぶん劇的に変わる。あまりストレスにならない程度に、まずは出来ることからやっていけばいいのだ。元々「ゴミを出さない」・「ゴミを拾う」というのは、山などの自然環境に入る者にとっては当たり前のことである。でも当たり前のことが出来ないのもまた人間なのである。 自然環境下において、僕らアイロニストは常に自然への配慮を最優先に考えての行動を心掛けている。ゴミを出さないことや、下山時にゴミを拾い歩くことはもちろん、携帯コンロでアイロンを温める時の場所選びも慎重に行っている。携帯コンロの熱程度で地球温暖化の追い風になっているとは思えないが、自然環境下で火を扱うという責任は思いのほか大きいのだ。ちなみに、アイロン台を置く場所にも僕らは気を使う。人混みの山頂ではまずやらないし、草花の上に無節操に置くこともない。「山にお邪魔している」という認識を持てぬ者に山に入る資格はないと僕は思う。よって、それすらも出来ない人に、山でアイロンを掛ける資格はないのだ。 自然界には目に見えないルールがある。僕ら人間は、自分達の都合と発展を優先するあまり、その見えないルールを破ってきた負の経緯がある。国家レベルで自然に配慮するようになってきた昨今ではあるが、そこには依然大きな商業主義が居座り、エコという名のもとに、危機的状況である環境問題を手玉にとって更なる儲けにひた走る企業も決して少なくない。エコを声高に唱える人の中には、エコについて何も分かっていないし、きっと興味もない連中が混じっているとしか僕には思えない。川や山でゴミを捨てる人たちは、きっとその手の輩に間違いない。 環境問題への取り組みとは、まずは自分で考え、個人レベルで出来ることから行動を起こすのが良いと思う。マイペースで地道に、しかし着実に行っていくのだ。すると、それを見た・知った人たちが同調し、そこに小さな輪が出来る。そしてその人たちとの輪を徐々に大きくしていけばいいのだ。草の根レベルで話し合い、確かな行動を継続していく。そうすることで、いつか個の精神も、後に企業や国をも動かす原動力となるはずである。時にスピード感も大切だが、まずはしっかりと根っこを広げていかなければ、それも一時の盛り上がりで終わる可能性が強い。環境破壊のスピードは速いが、最初に時間を掛ける事は結構大切だと僕は思う。 ごく簡単なところで言えば、環境問題への取り組みは、買い物に毎回エコバックを使うところから始めたっていい。今は様々なエコバッグがお洒落アイテムとして認知されているが、環境問題への入り口はそれでもいいのだ。まずはそういう心構えが大切なのである。 自分が信念を持って取り組むエクストリームアイロニング。その活動を通じて、皆に自然環境の重要性を考えてもらえるようになれば、僕にとってこんなに嬉しい事はない。エクストリームアイロニングは今も比較的注目を浴びやすいという利点がある。だから常日頃、豊かな自然環境にお世話になっている我々アイロニスト達が、最大限に自然に配慮しているという事にも、少しづつ意義が生じてくればいいと僕は思っている。外でアイロンを持っているだけで、ただでさえ馬鹿に見える我々アイロニスト。そんな我々が、真摯に環境問題に取り組む事で、一般の人達に伝わる事もきっとあるのだ。 ただ単純に癒されたいからカヌーでアイロンを掛け、ただ単に高いレベルの達成感や満足感を得たいから山頂でアイロニングをする、という感覚は、もはや僕にとっては過去の遺物でしかない。もちろん時にシンプルにアイロニングを楽しむ事も大切だが、これからのネイチャーアイロニングは、その自然環境をずっと後世に残していくという高い志と共に進化していく必要があると思う。少なくても、俺たちアイロニストがいつも活動している山や自然環境は、俺達アイロニストの手で絶対に守り抜いてみせたい。いつの日か、ペットボトルがひとつも漂わない江戸川と、ゴミを一つも見ない筑波山を目指して。 「あの山の山頂はなぜかいつも霧深いけど、自然環境は今後も安心だね。だってあそこにはEIJのアイロニスト達がいるから」。こう言われる日が来るか来ないかは、今後の我々の活動次第なのである。 IRON ON.
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松澤等(まつざわひとし)。サーフィン、カヌー、山登り、ロッククライミングなどのスポーツを経て2004年、エクストリームアイロニングジャパン(EIJ)発足。高い身体能力とユーモアセンスを取り入れた活動内容で国内のEI人気を着実に向上させている
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