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電車の足元、線路の幅の話:狭軌と広軌はどう違う?(1)

[2009-11-02]

鉄道コラム「鉄学の道」/毎週月曜更新

乗りつぶし率99%の鉄道会社員が 
書き下ろす鉄分たっぷりコラム。

自社の貴重でレアな話題も 
時折飛び出します? 



「新幹線の線路の幅は普通の線より広いんだよ!」

鉄道に興味を持った子どもが東京駅あたりで得意げにお母さんに教えている光景を目にすることがありますよね。新幹線の軌道の幅(軌間)が在来線より広いことは小学生でも知ってますが、これが標準軌1435mmと狭軌1067mmである、と正確に理解している子どもは、鉄ちゃん予備軍と言っていいかもしれません。

1435mmを日本で初めて採用 京急大師線
1435mmを日本で初めて採用 京急大師線(クリックで拡大)


私鉄の多くでも1435mmを採用


JR在来線が1067mmであるため、日本の鉄道はこの軌間が多数派ですが、1435mmは新幹線以外でも多くの私鉄で採用されています。関東では京急と京成・北総・新京成、関西では阪急、阪神、京阪と近鉄の大部分が1435mmです。どちらを採用しているかは各路線の成り立ちによる選択の違いです。国鉄線と客車・貨車の直通を考慮した鉄道は必然的に1067mmを採用することになります。蒸気鉄道から出発した鉄道は、ほぼこのパターンで、東武や南海もこの仲間です。

一方、国鉄と直通を考慮しない、路面電車タイプからスタートした鉄道や、国鉄と対抗する高速電車として誕生した鉄道は走行条件の良い1435mmを多く採用しています。路面電車型は阪神・京阪など、高速電車型は阪急・近鉄・西鉄大牟田線などです。現存する路面電車でも、阪堺・京福・広電・長崎電軌などが1435mmです。


軌間の違いは鉄道の成り立ちの違い


日本の鉄道の軌間はこの2種類だけではありません。一般の鉄道としては、他に1372mmと762mmが使われています(ケーブルカーや鉱山専用線などではそれ以外の例も無くはないですが)。1372mmはもともと東京の路面電車が東京馬車鉄道としてスタートしたときに採用された軌間で、現在もそのまま都電荒川線で使われているほか、京王電鉄の京王線とこれに相互直通する都営新宿線、東急世田谷線と函館市電だけが採用しています。

この軌間は東京都電(戦前は「市電」ですが)の軌間として定着したので、市電に乗り入れたい路面電車タイプの私鉄がこぞって採用し、京浜電鉄(京浜急行)・京成電鉄も一時この軌間だったのですが、高速電車に改良され、路面電車との乗り入れが不要になると、他の鉄道に合わせて1435mmなどに変更されました。京王と東急世田谷線だけは他の軌間の鉄道との直通運転が長い間無かったので、そのままで残っています。遠く離れた函館は何故? という感じですが、明治30年に馬車鉄道として開業したとき、東京馬車鉄道の技術支援を受けたためです。

鉄学の道

山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?

→  http://www.nankai.co.jp/

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