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小料理屋のような蕎麦屋さんで魚料理と酒を愉しみ、粗挽き蕎麦を味わう

[2009-10-23]


昼過ぎの蕎麦屋で「飲んでつまんで蕎麦を手繰る」を喜びとする 
蕎麦ライターが、本誌「男の隠れ家」の蕎麦特集で掲載しきれなかった 
お薦めの蕎麦屋をご紹介
。蕎麦にまつわるレアな蘊蓄話も。



千葉市の郊外。魚料理を豊富に揃えて小料理屋のような雰囲気だ。板前さんが蕎麦屋に転身と思ったら・・・。「負けず嫌い」のご主人が語る蕎麦と料理の話は尽きない。

「遊蕎心 泰庵(ゆうきょうしん やすあん)」
「遊蕎心 泰庵(ゆうきょうしん やすあん)」(クリックで拡大)


外観は植栽が植えられた優しげな店構え。店内も清潔感があって好感が持てる。カウンターの雰囲気がよいので座ってみると、正面に張られた、たくさんのお品書きがまず目に入った。

店内
店内(クリックで拡大)

魚料理を中心に焼物、煮物、揚物がそれぞれ5種類以上。そのほかにも料理メニューが用意されて、ちょっとした小料理屋といったところだ。料理に力を入れている蕎麦屋さんが増えているが、これほど魚料理を揃えた店は少ないだろう。てっきり前身は板前さんと思ったら・・・。

「元は機械打ちの蕎麦屋でした。6年前に、50歳になるのを機に、いつまでも出前もできないので、思い切って手打ち蕎麦に切り替えて店も改装しました。手打ち蕎麦に変えてから、蕎麦打ちの面白さにはまりましたね」

と持木泰二さん。手打ち蕎麦も料理も師匠はなく、すべて独学。今もいろんな蕎麦屋さんを食べ歩いて参考にしているという。話にはいろんな蕎麦屋さんの名前が出てきて勉強していることがわかる。

「蕎麦も料理もこれでいいということはない。これからもどんどん変えていきたい。失敗も一つの楽しみで新たな勉強になります」

秋刀魚のマリネ
秋刀魚のマリネ(クリックで拡大)

とにかく前向き。そのエネルギーの源は「負けず嫌いだから」らしい。
魚料理の盛り付け一つとっても手を抜かない。たとえば、写真の「秋刀魚のマリネ」。おろしてソテーにした秋刀魚とスライス玉ネギをマリネにした。彩りの美しい一品である。

メニューには刺身や自家製締めサバもある。蕎麦屋では従来、生ものは出さないという不文律のようなものがあったが、蕎麦懐石が生まれ、店の形態もメニューも多様化した現在、生ものを出してもよいのではないか。

「夜に来ていただきたいので酒の肴には力を入れています」

酒は奥さんの美千代さんの故郷、奈良の酒が多い。

阿部 文枝

阿部文枝(あべふみえ)。昼過ぎの蕎麦屋で「飲んでつまんで蕎麦を手繰る」を喜びとする蕎麦ライター。本コラムでは、本誌「男の隠れ家」の蕎麦特集で掲載しきれなかったお薦めの蕎麦屋を紹介する

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