電車に乗って温泉へ行こう
[2009-10-19]
鉄道コラム「鉄学の道」/毎週月曜更新 乗りつぶし率99%の鉄道会社員が 書き下ろす鉄分たっぷりコラム。 自社の貴重でレアな話題も 時折飛び出します? 10月も半ばを過ぎ、秋の行楽シーズン真っ盛りとなりました。9月のシルバーウィークはGWを上回る人出の観光地も多かったようですが、10月、11月の3連休はどんな具合でしょうか。 日本で行楽の代表といえば、やはり温泉でしょう。温泉好きに老若男女の隔ては無く、温泉の湯につかって「日本人に生まれて良かった~」などと満足の吐息を漏らした人は、古来その数知れず、と思います。交通機関など存在しなかった時代から、人々は足で歩いて湯治に出掛けていましたが、鉄道ができると、温泉客というのは鉄道にとって魅力ある収入源の一つとなりました。夏目漱石の「坊ちゃん」に出てくる軽便鉄道は、本州からの船が着く三津浜から道後温泉へ温泉客を運ぶ路線で、明治28年に既に開通しています。 大正期になると街道沿いの温泉場に国鉄の駅ができるだけでなく、都市や国鉄の駅と温泉を結ぶ私鉄も次々に作られていきました。大正7年には北海道の定山渓、8年に箱根の強羅、13年に飯坂、15年に草津、昭和3年に有馬へ、それぞれ私鉄が開通しています。 大都市の大手私鉄でも、自社沿線以外の温泉地へ直通列車を走らせる例が出てきました。南海も自社沿線に名のある温泉はありませんでしたが、終点和歌山のさらに南方には、昔から知られた南紀白浜温泉があります。そこで、国鉄紀勢線が開通すると、昭和9年から難波~白浜口間に客車の直通運転を始めました。南海線内は直通客車を電車が牽引して和歌山で国鉄の列車に連結するというもので、戦時中は中断しましたが戦後復活し、国鉄がディーゼル準急を投入すると南海も国鉄と同規格のディーゼル車両を新造して直通運転を拡充していき、昭和60年まで運行していました。 |
山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?
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