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本当に便利? 相互直通運転のプラスとマイナス

[2009-10-05]

各社で規格を統一して実施


相互直通運転を実際に行うには、まず、当然ですが線路の幅や使用する電圧などが同じである必要があります(小田急と箱根登山のように線路の幅が違ってもレールをもう一本敷いて直通させた例もありますが)。それ以外にも信号やATSをはじめとする保安装置、列車無線、車両の規格など統一すべき施設や制度は膨大です。

分界点での管理区分も重要です。直通運転計画を立てるときにこれらを定め、協定書や覚書を交わします(「相直協定」などと呼びます)。それに基づき、既存の施設を改修し、直通運転用の車両を新造します。一方が新設路線の場合は、既存の路線である相手方に合わせて作ります。運行計画を作り、車両の運用を決めるときは、それぞれの会社の車両が相手方の路線を走る走行距離(車両走行キロ)の合計が同程度になるよう調整します。調整しきれない場合は、「車両使用料」の形で金銭で清算することもあります。


相互直通に残された課題


さて、こうしていったん相互直通を始めると、規格の変更は大改修工事を伴うので容易ではありません。1962~64年に開通した東京メトロ日比谷線は開通当時の直通相手に合わせ18m3ドア車8両編成が限度の規格になっていて、相手方の東武伊勢崎線と東急東横線は、現在は直通車両以外は20m4ドア車にほぼ統一されたのに、直通車は18m車で残さざるを得ず、かえって効率が悪くなっています。

また、直通区間が広がり、最大100kmにもなってくると、群馬県で発生した事故による遅れが横浜まで波及するなど、一箇所の遅れが意外なほど広域に影響を及ぼすようになってしまいました。便利な相互直通にもプラスとマイナスはあるのです。

画像 014.jpg
東武伊勢崎線を走る18m車8両編成の東京メトロ03系(クリックで拡大)





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鉄学の道

山本浩(やまもとひろし)。南海電気鉄道勤務。学生の頃から鉄道好きの鉄道会社員の目線で鉄道業界のあれこれを書き下ろす。自社の貴重でレアな話題も時折飛び出します?

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