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こっそり通いたくなる空間と蕎麦 住宅街の隠れ家蕎麦屋が新たに開店!

[2009-09-18]


昼過ぎの蕎麦屋で「飲んでつまんで蕎麦を手繰る」を喜びとする 
蕎麦ライターが、本誌「男の隠れ家」の蕎麦特集で掲載しきれなかった 
お薦めの蕎麦屋をご紹介
。蕎麦にまつわるレアな蘊蓄話も。



目黒「東京土山人」の店長だった片所弘考さんがこのほど独立した。小ぢんまりと落ち着いた空間はまさに隠れ家。夫婦二人で営む、きらりと光る小さな蕎麦屋さんをご紹介しよう。

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「祐天寺」駅から少し歩いた住宅街に、新しく「蕎や 月心」が開店した。一見して、「土山人」のお弟子さんらしさが垣間見える佇まい。というのも、入口に掲げられた「月心」と書かれた陶板、その上に吊るされた行灯。ともに織部の陶器製で、「土山人」のテイストに近い。店舗デザイン、器の製作などを手がけた土山人こと木下幸男さんのお弟子さんの作品。「土山人」のオーナー渡辺栄次さんの開店祝いとか。

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暖簾をくぐって入ると、木製の大きく細長いカウンターが目に入る。ほかにテーブルが1卓。席数13席の小ぢんまりとした店内は土色の漆喰の壁に囲まれ、木を多用した調度類が置かれて、居心地がよさそうだ。

片所さんは、サラリーマン時代に高橋邦弘さんの本『そば屋翁 僕は生涯そば打ちでいたい』を読んで感銘を受けたのが蕎麦との出会い。自分で蕎麦を打ったところ、うまく打てなくて、「築地そばアカデミー」に通った。そこで教えを受けたのが片倉康雄最後の弟子といわれる永山寛康さん。その後、関西の蕎麦屋「土山人」や「凡愚」を訪れ、お洒落な店や器、美味しい蕎麦や料理の、完成度の高い魅力に衝撃を受けて、「土山人」の渡辺さんに手紙を書いた。「土山人」に入った後は東西4店舗の立ち上げに参加しながら修業。この8月20日に独立して店をオープンしたばかりだ。

「今まで大勢でこなしていた仕事をすべて一人でやらなくてはならない。こんなに大変だとは思わなかったですね」と言いつつ、忙しさを楽しんでいるような頼もしさを感じた。

阿部 文枝

阿部文枝(あべふみえ)。昼過ぎの蕎麦屋で「飲んでつまんで蕎麦を手繰る」を喜びとする蕎麦ライター。本コラムでは、本誌「男の隠れ家」の蕎麦特集で掲載しきれなかったお薦めの蕎麦屋を紹介する

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