人間のど真ん中にあるもの 業を見つめる表現師 − 佐伯俊男(絵師)

[2009-09-17]

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表現であり、願望ではない


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(※)「痴虫」は佐伯氏の作品をラベルに起用した高井酒造(群馬)の日本酒。本醸造、純米吟醸、大吟醸など6種類の酒で展開し、佐伯氏の絵柄は10種類が起用された。写真左は「痴虫3号」に起用された「竹のぼり」。(クリックで拡大)

武者 30年くらい前、芸術生活という本がありましてね。当時、僕はカメラマンとして1年間くらい食わしてもらったのかな。そこに掲載されていた絵を見て先生のことを知って、衝撃を受けたんですよ。

それから酒の商売を始めて、いつだったかある酒蔵の蔵元と僕の後輩とで、先生の絵をラベルにして酒をつくったら面白いんじゃないかという話になった。

それで「痴虫」(※)ができたんですよね。あの酒、僕の店でも圧倒的に人気がありますよ。

佐伯 いくつつくりましたっけ?

武者 確か「竹のぼり」、「海坊主」、「一寸法師」と…

佐伯 「貞操帯」、「のぞき」も。しかし人聞きが悪い作品名ですよね(笑)。

昔は、変わった人たちが家に訪ねてきてね。会ってみて話をするんですが、なかなか本当のことを言わない。それできくと、「縛ってください」と言う(笑)。ちょっと待ってくれ、僕にそんな趣味はない、ですよ(笑)。

武者 家でも同じようなことをやってると勘違いしちゃうんですね(笑)。

佐伯 本当にそういう趣向がある人なら、絵なんか描かずに実際にやってますよ。僕の作品は、僕自身から見た人間の風景なんです。いろんな人間の行動やテーマを題材にしているだけ。

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