筆記具の顔「ペンクリップ」を味わう。(中編)
[2009-09-07]
文房具の良さを語るのに、歴史やストーリーはいらない。 オンラインショップ「信頼文具舗」の和田哲哉氏が、 「良い」文房具と共に暮らす魅力を伝える信頼コラム。 【←前回の記事】筆記具の顔「ペンクリップ」を味わう。(前編) 前回書き始めた「ペンクリップ」についてのお話。その続きを考えていましたら、まだまだ面白い物が出てまいりました。ですので今回は後編、いえ、中編として続けてみることにします。 小さなパーツの働きペンクリップの話題で外してはいけない製品がありました。それはスイス・カランダッシュのボールペン、オフィスラインというシリーズです。鉛筆のような六角形の軸は軽量の金属製。軸にはコッテリと厚めの塗装が施されています。そしてそこには別体のペンクリップがしっかりと取り付けられています。 もしもペンクリップが無いままなら「鈍」な印象にもなりかねない塗装ボディーに、このメッキのパーツが付加されることによって全体がグッと引き締まって見えてきます。またクリップの台座部分は側面から見ると斜めになるようデザインされ、たったそれだけの処理で製品に躍動感をも与えています。もちろん実用性も充分なもの。毎日づかいの筆記具として、しっかり・気持ちよく機能するペンクリップです。 様々な加工技術が発達した現代では、オフィスラインは素朴な存在ではありますが、この製品が発表された当時には、ペンクリップが与えた効果は決して小さいものではなかったと想像されます。メッキのパーツが、本品を「オフィスで使える製品」に仕上げています。 余談ですが、オフィスラインからこのペンクリップを外してみようとした人って結構多いのではないでしょうか。私も実際にトライしてみました。けれども、私の個体はクリップの台座が思いのほか硬く軸に噛みついていて、それでも力を入れて外したところ、せっかくの美しい軸の塗装がガリッと削れてしまいました。泣き顔です。ですので皆さんは、むやみに外しませんように。 |
文房具をテーマにしたサイト「ステーショナリープログラム」主宰。オンラインショップ「信頼文具舗」店長。常にユーザーの視点に立ち、良質な文房具の普及に努めている
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