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松澤等、浮上せず! 水中アイロニング

[2009-08-25]

このような数々の水中アイロニングにおいて、僕は実際にどんな効果を味わうことが出来たのだろうか。まずは水中でアイロニングをやっている時の感覚だが、これは高い山で行う山岳アイロニングの感覚にかなり近いイメージであった。素潜りでのアイロニング時は、肺がつぶれないよう少しずつ息を吐きながらではあるものの、ある種の無呼吸状態に陥る。それにより思考が鈍り、体の動きも鈍るような感覚は、高高度での山頂アイロニングに非常に近いイメージなのであった。

水中でそういう感覚が芽生えるようになってからは、水中でのアイロン掛け中に抱くイメージは、まさにチョモランマ(エベレスト)山頂でのエクストリームアイロニングなのである。チョモランマ山頂でのエクストリームアイロニングを今後の目標に掲げている僕にとって、水中は意外なほどそのイメージトレーニングに適している環境であった。これに、僕は深い驚きと感動すら覚えたものである。

そして水中でも、目を閉じればリビングでアイロン掛けをしているような感覚を得れることも確認できた。水中でも、アイロンを掛けることによって鉄の平常心は得れる、という事である。そしてエクストリームアイロニングで得る達成感と満足感。これは、アイロン掛けがありえない場所の極み、という意味で、水中では相当な効果を感じたといえるだろう。


見た目はユーモアでも、実はリスキー


素潜りでは、アイロンを持って水深7mまで潜り、そこでアイロン掛けを行ったが、これは結構な至難の業であった。現に水中アイロニングで僕は耳に怪我をし、病院送りにもなった。水中アイロニングは、アイロン掛け度外視という観点からも、やはり見た目はユーモアそのものである。しかし、実は相当リスキーな行為ともいえるのだった。ある意味、エクストリームアイロニングのユーモア性と極限性、その両方が巧く組み合わさったもの。それがこの水中でのアイロニングといえるのかもしれない。

今後、水中アイロニングを取り入れていくのは、個人的にはアリではないかと思う。しかし水中でのシワ伸ばしが成立しない以上、この水中アイロニングを正当化するのにも無理がある。それは認めざるをえない水中アイロニングの負の部分といえる。

しかし、欧米のアイロニスト達のように、水中アイロニングの最深記録を目指してやっていく連中にとって、これからも水中は大きな意味を持つ。記録への挑戦は、マイナースポーツであるエクストリームアイロニングにとって、皆に認知させる上で非常に価値のある行為だからである。そういうアイロニスト達を、僕はこれからも仲間として応援するし、その感覚を共有できたらいいとも感じている。だから僕は水中掛けも軽視せず、これからも機会がれば信念を持って水中にも挑みたいと思う。水中が、チョモランマをもっとも身近に感じられる場所ならなおさらである。

水中でのアイロニング。シワは伸びない。シャツも滅茶苦茶になる。アイロンも錆びやすい。要するに、これ以上アイロン掛けに適していない場所は無い、といえるほどのひどい環境である。しかしいざアイロンセットを持って潜ってみると、僕は得体の知れない満足感に包まれるのだ。水中という固定観念の外側、それこそが、もしかしたらエクストリームアイロニングにおける究極の固定観念なのかもしれない。少なくても、僕は今後も水中でのアイロン掛けを続けていくつもりである。たとえ、そこにシワがなくても。

IRON ON.


水中アイロニング 相模湾.jpg
(クリックで拡大)





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鹿児島スチーム紀行
屋久島にて思うこと
皆既日食珍動記
アイロン売り場とエコの心 …

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松澤 等

松澤等(まつざわひとし)。サーフィン、カヌー、山登り、ロッククライミングなどのスポーツを経て2004年、エクストリームアイロニングジャパン(EIJ)発足。高い身体能力とユーモアセンスを取り入れた活動内容で国内のEI人気を着実に向上させている

→  http://www.exironingjapan.com/

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