松澤等、浮上せず! 水中アイロニング
[2009-08-25]
僕は、エクストリームアイロニングにおいて常に困難な場所を追い求めてきた。本気モードのエクストリームアイロニストであれば、きっと誰しもがそういう思いを胸に抱いている筈だ。 この行為は、最終的にアイロン掛けに至るまでの過程や環境が困難であればあるほど、そこで行うアイロニングにて得る効果が際立つ。それは過去6年におよぶ自分の実体験から常々感じてきたものである。アイロニスト達は、究極の場所で得る究極の効果、それを体感したいが為にいろんな困難に立ち向かい、それらをしっかりと克服した上で、最後に至福のアイロン掛けをキメるのだ。少なくても僕はそうだったし、今もその思いになんら変わりはない。 僕は2004年あたりから、エクストリームアイロニングの真髄である山でのネイチャーアイロニングや、様々なスポーツとの融合、そして競技的なものも含めて、今までいろんな新しいケースや環境にて様々なアイロニングを試みてきた。そしてエクストリームアイロニングを始めてから2年ほど経った2006年後半、僕は新たなフィールドにようやく辿り着いたのだった。それこそが「水中」なのである。 水中でのアイロニングにおいて、いわゆる「シワを伸ばす」という本来のアイロン掛けの成立は困難である。というか、ほぼ不可能に近い。アイロンの電源・熱源が取れないという環境は、アイロン掛けにとっては絶望的なコンディションなのだ。しかし、当時すでに欧米のアイロニスト達は水中というフィールドでごく当たり前のようにアイロン掛けを行っていた。中でも「誰よりも深い水深でアイロン掛けをする」、というように、とにかく「記録」を狙う連中が多かった。 当時、欧米でのアイロニングはまだまだパフォーマンス重視で、エクストリームアイロニングにおける最も大切な要素は「如何にありえない場所にてアイロン掛けの行為をしているか」というふうに捉えられていた(今もその風潮はある)。 「シワを伸ばす」という本来の目的を度外視したそういう考え方に、正直言って僕は賛成出来なかった。しかし、水中で実際にアイロニングをやったことのない自分にとって、水中で行うアイロン掛けで得る感覚など何も分かったもんじゃない。「机上の空論」という言葉がとにかく嫌いな自分にとって、ここはやはり水中へも足を踏み入れるべきではないのか。やってみて何も感じなければ、そこで線を引けばいいじゃないか。水中でのアイロン掛けなどバカバカしいと感じる自分がいたが、結局、僕はアイロンセットを持って水中へと駒を進めたのである。 |
松澤等(まつざわひとし)。サーフィン、カヌー、山登り、ロッククライミングなどのスポーツを経て2004年、エクストリームアイロニングジャパン(EIJ)発足。高い身体能力とユーモアセンスを取り入れた活動内容で国内のEI人気を着実に向上させている
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