鈍感であれ 鋭敏であれ
[2009-08-10]
完成度の高さゆえ、受ける批判面白いのは、iPhoneが表示や操作感の細部まで配慮した作りになっているため、iPhoneで表示されるアイコンの良し悪しまで気にするユーザーが現れている点にあります。アプリケーションの出来栄えは良くても、ホーム画面(=アプリケーションを呼び出すメニュー画面)に表示されるアイコンの見た目が悪いと、ユーザーからの指摘を受けます。iPhoneが作り上げた世界観が、美しく無いもの(と言うか熟慮されていないもの)を自然に排除する仕組みが出来上がっているわけです。また、ひとつの製品についてユーザーのコミュニティーが出来上がっていることも見逃せません。 これが、基本的なインターフェイスのレベルでさえ充分ではないスマートフォンでしたら、アイコンのデザインうんぬんでユーザーにディスカッションされるような機会も少ないことでしょう(私の思い込みでしょうか)。 作り手はデザイン性でなく機能に鋭敏であれ文房具に話を戻しましょう。優れた機能や面白いアイディアを投入した製品であっても、色彩、素材、操作感、剛性、手触りなど、使い手の心に響く部分が欠落してしまうと、せっかくの新製品も評価をされません。これは単純に「良いデザインであれ」と言っているものでもありません。一時期流行した「デザイン文具」なる製品のいくつかがユーザーに評価されなかったのは、口当たりの良い見かけだけで、現実的な使い勝手(しかも細かいレベルのもの)が伴っていないことを、ユーザーがちゃんと感じ取ったからです。メーカー内にジャッジできる人が居ないままでデザイナーに任せてしまうと、こうした結果を招きがちです。 今回は回り道が多く、しかも上手い説明が出来ていなくて難解になってしまいましたが、要は、ユーザーは鈍感なほうがきっと幸せかも。しかし作り手側はもっともっと鋭敏に、細やかに、というお話がしたかったということであります。 和田哲哉の「文房具に寄す」過去の記事 ・ノートの裏側、どうしてます? ・使う?使わない?後ろの消しゴム ・美篶堂さんのお仕事と「コトノハノート」 ・文具ファンになったきっかけは? ・文房具の正しい使い方 … |
和田 哲哉の「文房具に寄す」 過去の記事
文房具をテーマにしたサイト「ステーショナリープログラム」主宰。オンラインショップ「信頼文具舗」店長。常にユーザーの視点に立ち、良質な文房具の普及に努めている
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