無の価値を見極めて成功を収めた "目利き" の半生 − 北原照久(おもちゃコレクター)
[2009-08-09]
趣味ベースの仕事だからこそ、人の数倍努力を楽しげに100年後の自分を語る北原氏だが、コレクターとして有頂天になっているわけではない。その実、自分の置かれている現状と成功し続ける意味を誰よりも理解しているのだ。 「おもちゃを集めるのを仕事としている以上、成功できなければ『趣味が簡単に仕事になるわけがない』『失敗すると思っていた』と言われるでしょう。 “強きを挫き、弱きを助ける” という「任侠の徒」として有名な国定忠治の『名月赤城山』の歌にいい歌詞があって、こんな一節があるんです」 「云われまいぞえ やくざの果と、悟る草鞋に散る落葉」 「任侠だなんだって言っていても、ダメになったら『あれがヤクザの慣れの果てだ』と言われるのは百も承知と歌っているんです。僕の場合も、失敗したときには、趣味が仕事にならないと叩かれることを百も承知でいます。だからこそ、そう言われないために人の2倍、3倍頑張るし、好きなことだから頑張り続けられるわけですよ」 「人の倍は頑張る」と話す通り、現在61歳の彼は、テレビのレギュラーが2本、ラジオが2本、年間100本以上の講演会に加え、これまで60冊以上の書籍を出しており、常に休まず活動している。多くの仕事に恵まれ、いろんな夢が叶う今の状況を、おもちゃの恩返しだと感じているという。 「ものを集めることは、ただのオタク気質に思われるかもしれませんが、有名人でもない僕がコレクターをしていたおかげで、ポール・マッカートニーやミック・ジャガー、ピーター・ポール&マリーなんかにも会うことができました。おもちゃをここまで集めていなければ、そういった人に会うことは決してできませんでした。特に、海外の人はモノを集めることの価値を理解していて、コレクターの評価がすごく高い。サンフランシスコで僕のおもちゃの展示会を開催したときも、家族全員がファーストクラスで招待されて、市長が豪華なパーティーを開いてくれました。ものすごい待遇でしたね。そういった経験から、今ではすべておもちゃの恩返しだと思 っています。物も人も自然も大事にすると、向こうからいい流れが来ると実感しています」 |
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