無の価値を見極めて成功を収めた "目利き" の半生 − 北原照久(おもちゃコレクター)

[2009-08-09]

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横浜ブリキのおもちゃ博物館からほど近い北原氏の事務所にて(クリックで拡大)


世界的コレクターの目利きの鉄則


 普通は、コレクターでも3年周期で熱が冷めるものらしい。だが、彼は冷めるどころか収集物を増やし、ブリキやセルロイド、木製などのおもちゃに加え、ポスターや看板などありとあらゆるものに興味を持ち、集め続けている。

「もう数え切れないぐらいのコレクションがありますが、今でも、おもちゃを買うごとに満足感があります。欲しくなるようなものが果てしなくあるから、集めてもキリがない世界にいるんですよね。昨日も買ってしまったし(笑)。最近は、ものを集めることに使命感を感じています。神様に集めろと言われているとしか思えないくらい、いい出会いが自然にあるんですよ」

 無名作家、または以前は無名で現在は有名になった作家の作品も数多くコレクションしており、北原氏は彼らにとって実質パトロン的な役割を担っている。先ほど触れたムットーニや山下信一も今では有名な作家として国内外で活躍しているが、北原氏がコレクションを始めたころは、無名の存在であった。それでも、北原氏は自分が作家を育てているという気持ちはまったくないという。

「パトロンを買って出ているのかということをよく言われますが、そんな感覚は一切ありません。僕は25歳のときから無名作家の作品を買い続けているから、金銭的にも本当に大変でした。でも、ものを集める大前提にあるのは、自分がワクワクするから買うということ。作品が有名で価値があるから買うわけじゃない。誰も知らなくても、自分が気に入れば買う。そうしていると、そのうち作家が有名になって、売れていくんです。ものの価値はあくまで自分の判断。自分の琴線に触れたものしか買いません」

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壁一面に山下信一の作品が並ぶ


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「おはなし玉手箱」と称される総合芸術を紡ぎ出すムットーニ作品


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